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               近況(PLO通信64号、2014年3月)

                                      山口 篤
 
 建築ラッシュ
このところ、北大水産学部は建築・新造ラッシュである。たとえば、長い間親しんできた「管理研究棟」(6階建ての大きなビル)の改修工事が始まっている。これは現在の鉄筋はそのまま再活用し、壁やパーティションなどの内装を新しくするもので、改修工事後にプランクトン教室は、以前と同じ港中学校側の3階になる予定をしている。工事に伴い、現在プランクトン教室は仮移転しており、もぬけの殻となった部屋の状況は一抹の感傷を持たずには見ることが出来ない(口絵写真参照)。このほかの建築ラッシュとしては、「函館ドック」のクレーン等あった跡地(現在、クレーンは撤去されています)に、函館海洋都市構想の一環となる「国際水産・海洋総合研究センター」が建設されている。これは国・大学・道・民間などの学術研究機関が集積した複合的な研究施設となる予定で、プランクトン教室でもいくつかの研究室を使用する予定になっている。この完成は今年の7月に予定されている。また、「おしょろ丸V世」の建造も急ピッチで進んでおり、この引き渡しは今年の8月が予定されている。プランクトン観測に関係するところでは、船尾にA-フレームが搭載され、マイクロネクトン等用の多段式中層トロールが導入されるのが特徴である。こう考えると、さまざまな建物、研究室および練習船が新しくなり、今後の教育・研究の発展が期待されるところです。

大事にします
オホーツク海に面した紋別市にオホーツクタワーという施設がある。ここで元紋別市職員でPLOの大先輩である浜岡荘司様が長年に渡って、動物プランクトン試料を採集・解析されていることは以前より伺っていた。ただ、浜岡様に直接お目にかかったことも一・二回であったので、その詳細(1997年から2012年にかけてほぼ1.2日に1回の頻度で試料採集、解析をされている)を詳しくは知らずにいた。しかし、昨年(二〇一三年)の四月に、以前に北洋研生態で学位を取られた現在紋別市職員の片倉靖次さんから、ひょんなことで電話を頂き、その際に浜岡様によるオホーツクタワーでの採集・解析が、浜岡様のご転居(紋別市を離れて、札幌にお住まいになる)により一区切りすることを伺い、これは一度ご挨拶に行かなければと思い、五月上旬に修士課程一年の有馬大地さんと一緒に紋別市のオホーツクタワーを訪問した(口絵写真参照)。浜岡様に長年にわたるプランクトン採集と解析の労に心から御礼申し上げたところ、今後試料の管理、データの公表等を引き継いでやらないかとのお言葉を頂いた。有馬君の修士・博士論文のテーマとすることとして、ありがたいお言葉をお受けすることとし、九月には紋別市と北大の共同研究契約も結ばれた。浜岡様の行われた、こんなに時間解像度の高い長期間にわたる貴重なデータ・試料セットはおそらく二度と得ることや行うことは出来ないと思われる。浜岡様の情熱とご厚意に満腔の感謝を申し上げます。今後は、私たちの方で、ゆめおろそかにせず、解析・発表を行い、最終的にはしかるべき形で後世に使えるデータセットとして公表していくことを目標としている。

 実は有馬さんは卒論では、PLOの先輩である道水試の浅見大樹様と嶋田 宏様よりご提供頂いた、石狩湾のプランクトン試料を解析した。この内容に基づいて学会発表を行ったところ、昨年10月にカナダのナナイモにて行われたPICES(北太平洋海洋科学機構)年次総会にて、彼は思いがけなく生物海洋学分野のベストポスター賞も受賞した。このように、北海道の各種研究機関で採集されたプランクトン試料を丁寧に解析して発表していくことも、今後北大プランクトン教室として重要なのではと思っている。

 Copyright 2003 Plankton Laboratory
北海道大学大学院 水産科学研究科 多様性生物学講座(プランクトン教室)

 

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