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この一年を振り返って(PLO通信59号、2009年3月)
山口 篤
昨年の三月末に池田先生と志賀先生が定年退職を迎えられて、四月から常勤の教室スタッフが私だけになっています。PLOの諸先輩方には「大丈夫なのか」とご心配をおかけしました。深くお詫びとご配慮に深く御礼を申し上げます。
この一年弱、学生への教育・研究体制をいかにキープし、さらにより良くしていくかに大いに気を使い、配慮いたしました。まず、当研究室が担当している学部の授業・実験そして大学院の授業の全てを私のみで行うのは難しいと判断し、志賀先生に非常勤講師として前期の学部授業をお願いいたしました。それ以外の部分(後期の学部授業、実験・乗船実習および大学院授業)は私が行いましたが、池田先生からの懇切丁寧な引継ぎサポートなどもあり、学生さんからの評判もおおむね好評な内容にする事が出来たと考えております。
また教室ゼミでは一ヶ月に1回を「成果報告会」として、教員・大学院生および学部学生がそれぞれ「これまでの一ヶ月間の研究進捗状況と今後一ヶ月の研究計画」を発表しあう場として、研究の途中経過の内容確認も出来るようにいたしました。導入して気がついたのですが、大学院生および学部学生には、この「成果報告会」に発表するために、早い目に自分の研究計画を進めて、まとめる良い機会になっております。そして他のメンバーによい成果が出ているとお互いによい刺激になりあって、自分も頑張るという、正の相乗効果があることが分かりました。教室ゼミには河村章人先生や志賀先生にもお越しいただいて、より幅広いコメントを頂くことが出来ております。深く御礼申し上げます。
現在の教室の学生はDC3年の韓国からの留学生の金さん、MC1年の2名、4年生4名の計7名学生です。このうち、金さんは池田先生からの強力なサポートもあり、所定の3年で学位取得をすることが出来ました。学位論文タイトルは「親潮域におけるオキアミ類の生理学・生態学的研究」です。この学位論文申請には大講座(分野)主任のベントスの五嶋先生に主査を務めていただきました。金さん、学位取得後は出身大学の全南大学にて研究員をすることが決まっております。4年生のうち、1名は就職が決まり、3名は大学院進学の予定です。また、新たに研究室に配属になる新四年生は3名ですので、来年はMC2年が2名、MC1年が3名、4年生が3名の計8名の予定です。博士課程の学生さんが居ないのは研究室の雰囲気や研究進展の上で大いに問題がありますので、これからは博士課程の学生さんを増やして、大いに指導して、研究進展を図って行きたいと考えております。
PLO関係の集まりとして、昨年三月一四日には「池田先生・志賀先生退官記念祝賀会」を開くことが出来ました。詳細は巻頭に記しましたので繰り返しませんが、祝賀会の前に行われた最終講義にはPLOの方々だけでなく、広く学部内外の方々が約200名も集まられて、大変盛会になりました。また、東京PLO会も開くことが出来、池田先生と志賀先生のご退職を祝うとともに、世代を超えた多くのPLO会員の交流の場として大変有意義でした。これからもこのPLOという会を守りそして発展させることができたらと思いを新たにしております。
幸いなことに昨年行われました当研究室の教授人事公募にも多くの方々からのご応募があり、非常に強力な適任な方に決まりつつあるようです。このPLO通信がお手元に届くころには正式決定になり、来年度のよりよい研究室体制が出来上がっているものと思われます。よき伝統の上に記される、更なる高みを目指す新たなる1ページ、今後の展開にどうぞご期待下さい。私も何とか皆様のご期待に応えられるよう、大いに努力をして行きたいと思っております。
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北海道大学大学院 水産科学研究科 多様性生物学講座(プランクトン教室)
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