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研究分野の紹介

プランクトンとは・・・?
プランクトンとは、自力で長い距離を泳ぐことのできない水中を漂う生き物の総称です。ですから、海に住む「越前クラゲ」のように数メートルもあるのにプランクトンの仲間に入れられるものもいるのです。しかし普通に見られるプランクトンは大きくても数ミリ程度しかありません。この小さな命が海に住む魚や鳥など私たちが普段目にすることのできる生き物たちを支えているのです。
プランクトンは分類学的には、動物プランクトンと植物プランクトンに大別することができます。
陸上の草や木の役割を果たすのが植物プランクトンで、これを動物プランクトンが食べ、さらに魚や鳥がこれを食べることによって水中の食物連鎖を形作っているのです。


植物プランクトン
海洋に生息している大多数の植物は植物プランクトンといわれる浮遊性の単細胞藻類です。植物プランクトンは光のある海域ならどこにでも分布していて、極域の海氷下でさえ生息しています。植物プランクトンは海洋の食物連鎖における生産者として重要な役割を担っています。

珪藻類(けいそうるい)
「珪藻類」はもっとも詳しく研究されている浮遊性の藻類です。珪藻は単細胞で、 約2マイクロメートルから1000マイクロメートル以上にもなり、種によってはここの細胞が粘着性の刺毛で連結し、群体を形成します。珪藻は珪酸でできた2つの殻(外殻・内殻)からなってます。
浮遊性の珪藻類は運動器官を持ちませんが、光合成のために有光層にとどまる必要があるため、沈降を遅らせるために、表面積を大きくし摩擦抵抗が大きくなるような形態をとったり、細胞同士を鎖状につないで群体を形成したりといったような手段をとっています。
珪藻類は通常、単純な無性生殖で増殖します。まず、1つの細胞に2つの核ができ2枚の殻が分かれたのち、各殻に内殻ができて2つの細胞になります。このため珪藻類は増殖を繰り返す度に細胞サイズが次第に小さくなっていきます。
細胞がある最小サイズに達すると珪藻の骨格を失うとともに遺伝物質の半分だけを持つようになって有性生殖を行います。この細胞同士が融合して増大胞子となり元のサイズまで増大成長していきます。
Coscinodiscus Thalassiosira
Chaetoceros


渦鞭毛藻類(うずべんもうそうるい)
渦鞭毛藻類(うずべんもうそうるい)
「渦鞭毛藻類」は、珪藻類の次に多く出現する単細胞の藻類です。渦鞭毛藻類は珪藻類とは異なり2本の鞭毛を持つので運動能力があります。渦鞭毛藻は光合成でエネルギーを得る(独立栄養)種もあれば、多種の植物プランクトンや小さな動物プランクトンを捕食してエネルギーを得る(従属栄養種もあれば、いずれの方法でもエネルギーを取得できる(混合栄養)種もいます。さらに共生性の種もいます。
渦鞭毛藻類は無性分裂によって2つに分かれ同じサイズの細胞をつくって増殖します。なかには有性生殖もおこなう種もいます。渦鞭毛藻類は好条件下で特定の種が大増殖することがあり、あまりに大量になると赤褐色の細胞色が目立つようになって、赤潮の原因となります。
Ceratium Ceratium
Dinophysis



動物プランクトン
動物プランクトンを構成している種類は、分類学的にも体構造的にも多様で、顕微鏡的な単細胞レベルから直径数メートルクラゲにまで及んでいます。動物プランクトンは、海洋において生産者の生産したエネルギーを食物網を介して高次の消費者に伝えていく働きを担っています。

甲殻類(こうかくるい)
海洋における甲殻類のなかでもっとも優占しているのが「かいあし類」で、もっともよく研究されています。そのなかでも多いのが「カラヌス目かいあし類」です。かいあし類の発生には12段階あって、6段階のノープリウス期と6段階のコペポダイト期にわけられ、コペポダイトVI期は性的に成熟した成体です。

オキアミ類は、比較的大型の海産甲殻類です。南極に海に生息するナンキョクオキアミはクジラなど多くの大型動物の主要なえさとなっているほか、オキアミそのものも漁獲されています。

端脚類は、かいあし類やオキアミ類にくらべ小さな分類群ですが世界の海洋に広く分布しています。端脚類の中にはクラゲ類やサルパ類などに付着してこれらの動物を捕食したり寄生したりする種もいます。
かいあし類
(Eucalanus bungii)
オキアミ
(Euphausia superba)
ヨコエビの仲間(端脚類)
(Cyphocaris challengeri)


ゼラチナスな動物プランクトン
ゼラチナスな動物プランクトン
海洋には、クラゲ類のようなゼラチン質の体を持った動物プランクトンもいます。
その中でも「尾虫類」や「サルパ類」は海洋動物プランクトンの重要な構成者として注目されています。これら動物プランクトンはホヤの仲間で、自分で作った粘液のフィルターと使って効率よく植物プランクトンなどの粒子を捕食しています。尾虫類やサルパ類は短期間で大量発生することがあり、効率よくえさを食べるので、「海の掃除屋さん」としての能力が注目されています。

オタマボヤ
(尾虫類)

(Oikopleura longicauda)
サルパ
(Salpa aspera)

 Copyright 2003 Plankton Laboratory
北海道大学大学院 水産科学研究科 多様性生物学講座(プランクトン教室)

 

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